カメラノチカラ*
いつからだったか。
子どもの頃、遠足の時は欠かさずインスタントカメラを持っていて。
中学生でデジタルカメラを買ってもらって。
ハタチになって一眼レフカメラを持ち歩くようになった。
「鈴香が撮る写真が大好きだよ」
母が一番のファンでいてくれて、私はカメラが好きになった。
二度と来ない「今」を表現する感覚がたまらなく好きで。
その場所にいるから。その瞬間に立ち会っているから。
私だから見える世界がそこにはある。
そして、カメラには国も言語も宗教も超えるチカラがある。
そう信じてやまないのは、タンザニアでブルンジ難民の子どもたちと出会ったから。
世界最大級と言われているタンザニア・ニャルグス難民キャンプ。
車から降りた時、近寄ってくる彼らにどう接したらいいのかわからなかった。
私の想像を絶するほどの経験をして、今ここにいるわけで。
でも、底抜けに明るくて。パワーに満ち溢れていて。
私は難民キャンプにいるのか?って一瞬疑うほど。
言語がわからなくても、徐々にカメラが私と彼らの距離を縮めてくれた。
カメラというツールにと心から感謝した瞬間。
(もちろんいきなり写真を撮ると、相手に不信感や警戒感を与えてしまうこともあるから、そこは謙虚に丁寧に。)
瞳が青く見えるのは、空が青いから。
もう一度、その手を握りしめたくなる。
6月20日。今日は世界難民の日。
なぜ笑顔でパワフルな彼らが、故郷を追われて異国の地で、難民のキャンプで暮らさなければならないのか。
それは、私たちの「豊かな」暮らしと関係しているということ。
いつか彼らの故郷を訪れて、この写真を届けたい。
そんな穏やかな日常が来ることを信じて。