すずのおと*

〜「ソーシャルワーカー」へのみち〜

となるひと。

福祉の道に進むと決めてから、ずっと見たかった映画「隣る人」。

やっとみることができた。

 

最初から最後まで、溢れるほど心揺さぶられた。

 

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いろんな事情で、血の繋がった家族とは暮らすことができない子どもたち。

その子どもたちと血の繋がりがない大人たちが寄り添う日々の記録。

 

必死にしがみつくように愛を求める子どもたち。

それにひたむきに応えようとする大人たち。

その日常は、もどかしくて苦しくて、でもあたたかくて優しい時間が流れてた。

 

私が捉えていた「日常」はどれほど浅くて、「日常」を生きることが、どれほど広く深いものか。

考えずにはいられなかった。

 

他人と「家族」になれるのか。

「家族」の姿とはなにか。

 

85分間、問われ続けているようだった。

 

この国の「家族」の定義は、良くも悪くもとても狭く感じる。

特にカンボジアスタツアでの経験から、そう強く思う。

 

「家族」の「家」ってなんだろう。

「house」なのか「home」なのか。

この文章を書きながら頭の中がぐるぐる。

 

そして映画を見る前から、「隣る人」って一体どんな人なのか、ずっと考えていた。

家に帰って、映画のチラシを見返した時に気付いた、この映画のサブタイトル。

 

「never let me go」

 

隣ることは、離さないこと。

 

いつだったか、(たぶん)アフリカのことわざで

「It takes a village to raise a child.」

という言葉をふと思い出した。

 

子どもは、家族だけじゃなくて、学校や近所に人や、まるごとまちで育てる。

そして大人たちも一緒に育っていく。

 

そんな日常が、欲しい未来。

 

❀❀❀❀❀

 

児童養護施設は全国に約600か所、約3万人のおおむね2歳から18歳の子どもたちが暮らしている。

そのうちの1割(63か所、約3000人)が東京で、子どもたちは今日も日常を過ごしている。

 

上映後のトークショーで、児童養護施設に対するイメージやまなざしが、あまりにも偏ってしまっていることに気付かされた。

 

でも、実際に経験のないことに対して、さまざまなイメージを抱いて語ってしまうのは、仕方のないこと。

私だって、そういう部分がまだまだある。

 

だから、まずは私からアクションしてみよう。

やりたいことがまた一つ増えた。

 

2016年に感謝をこめて、2017年を生きていきたい。

 

年の終わりに、気持ちを新たに*